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【欧州セール遠征】繁殖牝馬を追いかけて③

2024.02.06 Column

イギリス3日目はいよいよセリ当日です。その前に前日の下見で回れなかった馬をチェック。その後、米国のセリの時と同じく、ノーザンファームのスタッフと打ち合わせを行い、最終的に競る馬を決定します。その結果、レイクヴィラファームの本命となったのはこの馬。


馬体が素晴らしいことはもちろんですが、まだ3歳で「Horse in training(調教中)」なので現役馬として狙う人もいるはず。かなり高くなることは覚悟の上です。

ファンの方から「繁殖牝馬を選ぶ際はどこを見ているんですか?」とよく聞かれます。確かに当歳や1歳に比べると、馬体の見るポイントが難しいかもしれませんね。チェックするポイントは数多くあるのですが、個人的には特に①骨量がしっかりとある馬、②トモの容量があって、かつ丸みのあるいい形をしている馬、③トップラインの流れがいい馬、このあたりを重視しています。ちなみに顔つきにもある程度は注目しますが、模様や派手さは選考の基準となりません。ただ、同行している的野はこの馬と顔と体の特徴が凄く気に入ったようで、「かわいい!かわいい!」とかなりときめいていました。

いずれにしても、お目当ての馬はセリの後半なので、それまでの時間を利用して種牡馬見学に行くことにしました。ニューマーケットのスタリオンをハシゴしましたが、一ファンとして感動しているだけではありません。繁殖牝馬を買えた場合、現地で種付けしてから輸入するプランもあるので、「どの馬を付けようか?」という品定めでもあるのです。動画はフランケル。

サービス満点でした。ちなみにアメリカと同じくヨーロッパでも、基本的に種牡馬は誰でも見ることができるし、触ることだってできます。また、競馬場も日本のように厳格な管理下に置かれているわけではなく、ニューマーケット競馬場のジュライカップコースにだって自由に入れますし、犬の散歩コースにもなっています。日本でいえば、東京競馬場の芝コースを犬が駆け回っている感じでしょうか。


そうこうしている間に、お目当ての馬の上場予想時間の1時間前になりました。パレードリンクで最終チェックです。予算は50万ギニー。35万から一騎打ちとなりました。〝これが最後!〟と決めた58万のビットを返されて60万。これにて終了…と思っていると、隣の的野から「え、降りるんですか!?」と突き刺してくるような一言が…。〝今度こそ最後!〟と誓って62万5000ギニーの渾身のビットを打つと、落札することができました。もちろん嬉しい気持ちはありますが、円換算の電光表示は怖くて見ることができません。ちなみに23年12月5日の1ギニーは約195円。したがって落札額は約1億2200万円でした。この時の様子が撮影されていました。恥ずかしい…。
https://x.com/tattersalls1766/status/1731762384266523067?s=46&t=MmNr5y5ZbdqaQ-oYY_SzEg

そうこうしていると〝世界の合田〟こと合田直弘さんが駆け寄ってきて祝福してくれました。1日目としてはかなりの高額馬だったので、タタソールズテレビから取材を受けてくれないかと依頼が。断る理由もないので快諾します。「通訳はいりますか?」と聞かれ、goodとかbeautifulあたりしか単語が出てこなさそうなので、合田さんに通訳してもらうことにしました。その動画がこちらです。
https://x.com/tattersalls1766/status/1731770872929657097?s=46&t=MmNr5y5ZbdqaQ-oYY_SzEg

名前が「ひろさきよしひさ」になっていますが、細かいことは気にしません。さらには翌日のTDNにも載っていました。

TDNは日刊の馬情報新聞。ちなみにアメリカ版とヨーロッパ版があって、日本でもアプリで無料購読できます。

続く4日目はタタソールズのセールでメインの日ですが、上場される馬は高くなりそうな馬ばかり。我々は競る予定はなく、ノーザンファームのチームに同行することにしました。ノーザンファームが競る候補に挙げている馬は、セリの目玉級の馬ばかりなので見ていて楽しくなります。一人の競馬ファンとして、この馬の産駒を日本のターフで見てみたい!というテンションです。

この後はセリを見届けるつもりだったのですが、時差の影響なのか、頭がクラクラしてきました。翌日以降も予定がびっしりと埋まっているので、この日はホテルで早めに休むことにしました。

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この旅の続きは【欧州セール遠征】繁殖牝馬を追いかけて④をご覧ください。
前日の内容は【欧州セール遠征】繁殖牝馬を追いかけて②をご覧ください。