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【欧州セール遠征】繁殖牝馬を追いかけて②

2024.02.06 Column

イギリス2日目はセリ当日以上に大切といっても過言ではない下見の日です。レイクヴィラファームではセリ前にスタッフ全員でミーティングを行い、「この血統が欲しい」「この馬は絶対にチェックしてほしい」などの意見を出し合うことにしています。その上でピックアップしたのは71頭。ざっくりとした目安は、
・自身がリステッドか重賞の勝ち馬
・母か兄姉がG1馬
・祖母が超良血
といったところです。

ちなみに下見に向かうファッションはこちらです。

「スキーかスノボに行くんですか?」とツッコまれそうですが、そうではなくて寒さと雨から体を守るため。そして会場の地面は土なので、足元の泥対策も欠かせません。セリでは必須のタブレットも防水仕様にしています。もう一つ、不可欠なアイテムとなるのが、equinelineという会社が提供している特別なアプリ。タタソールズの厩舎エリアはまるで迷路なので、アプリを使って効率良く回らないといけないのです。ちなみにほぼ全ての購買者がこのアプリを使っているため、同じような価格帯の馬をターゲットにしているバイヤーとは、ほとんど同じような動きをすることになります。

会場には競馬ファンがワクワクするような血統の馬が溢れているのですが、実際に馬体を見ると「これは日本には連れていけないなぁ…」となる馬が8割を占めます。このような〝空振り〟が続くと気持ちが萎えてくるのですが、そんな時はセリの目玉になるような馬を見て、目の保養です。こちらの動画は22年の英1000ギニー、日本でいうところの桜花賞を制したCachet(カシェイ)。

後肢の運びはいわゆる鶏跛ですが、馬体と成績が素晴らしく、そんなことも愛嬌に見えてきます。ちなみにこの馬はノーザンファームが220万ギニーで競り落としました。さて、我々はというと、丸1日をかけた下見の結果、馬体の素晴らしい馬が多かったため、12頭が最終候補に。例年に比べて豊作で、嬉しい悩みとなりました。

この日の夜はニューマーケットのジョッキーズクラブに招待していただき、現地の調教師と会食でした。壁には歴史的名馬の絵画が多く飾ってあり、圧倒されました。

何より驚いたのは、テーブルにエクリプスの蹄があったことです。

凄い!本当に凄い!ただ、これを食卓に置くのか…というのが素直な印象だったことも付け加えておきます。

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この旅の続きは【欧州セール遠征】繁殖牝馬を追いかけて③をご覧ください。
前日の内容は【欧州セール遠征】繁殖牝馬を追いかけて①をご覧ください。