母はダート7Fの米GII・プリンセスルーニーSを2連覇した快足馬で、母としても実に優秀です。
日本で初めての産駒となる現3歳のドンパッショーネ(父クオリティロード)は昨秋に未勝利を5馬身差で圧勝。
今春には1勝クラスも突破し、ダート短距離路線での大成が期待されています。
そんな兄は米国血統らしい〝デカマッチョ〟でしたが、弟は配合の狙い通り、全く異なるタイプに出ました。
本馬の父は「幻のダービー馬」シルバーステートです。
現役時代は5戦4勝。故障に泣き、重賞には出走すら叶いませんでしたが、主戦を務めていた福永祐一騎手(現調教師)が「排気量の大きさは、今まで乗った馬で間違いなく一番」と絶賛した傑物です。
その言葉を証明するように、種牡馬としては決して繁殖牝馬に恵まれているとはいえない状況から、JRA重賞勝ち馬を5頭も輩出。
ディープインパクトの後継種牡馬として、確固たる地位を築いています。
実馬はシルバーステート産駒らしく、程良いサイズにまとまりました。
それでいて母系から受け継いだパワーが馬体の幅に反映されているのがセールスポイント。
もう一点、四肢の回転力にも素晴らしいものがあります。
好スタートから好位で運び、直線で再加速して他馬を置き去りに─。
大舞台でそんなレースを見せてくれると信じています。