Breeding horses
「父リアルスティール×母の父ルーラーシップ」は知る人ぞ知るニックスです。
これまでにJRAで8頭が走り、22年のデイリー杯2歳Sを制したオールパルフェ、今年のフェアリーSで2着だったティラトーレなど、5頭が勝ち上がり。
そして、この結果は決して偶然ではありません。リアルスティールはフォーエバーヤングを筆頭に多くの活躍馬を送り出しているトップサイアーですが、産駒は総じて〝硬さ〟が目立ちます。
一方、ルーラーシップは雄大なフットワークが示すように、極端なまでの〝柔らかさ〟が武器。つまり、両者の相反する特性が絶妙に調和することで、想像以上の成功を収めているのです。
ここからは母系を詳しく見ていきましょう。
祖母のメジロサンドラはメジロ血統らしいステイヤー。
01年の大阪-ハンブルクCを制するなど、中長距離戦線で太く長く活躍しました。そして母は初勝利こそ3歳夏と遅かったものの、とにかく堅実に走り、4歳夏から秋にかけては1勝クラスと2勝クラスを連勝。
最終的に取引価格の約3倍となる6000万円余りを稼ぎ出した孝行娘でした。
ルーラーシップ産駒らしい大トビだったので、1年目の種付け相手にはリアルスティールを選択しましたが、これが大正解。
本馬は柔らかさの中に適度な締まりのある、これぞ理想のサラブレッドという動きを体現できています。
母が晩成だったことに加え、4月25日の遅生まれでもあり、他馬に比べると現時点ではスケール不足に映るかもしれません。
しかし、逆に成長力では上回るはず。そして生産者としては悔しい限りですが、不当な低評価でお買い得になる可能性も十分にあるでしょう。
この一族らしく息長く活躍し、オーナーを心行くまで楽しませてくれるに違いありません。
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