洞爺湖と羊蹄山を臨む
想い豊かな繁殖牧場

トップページ

新着情報 What’s New

【米国セール遠征2025】
スタッフが語る繁殖牝馬を追いかけて⑥

2025.12.25 Column

〝次代のレイクを担う繁殖牝馬を買う〟という最大のミッションを達成したことで、ようやく我々も肩の荷が下りました。ここからは海外出張の楽しみである種牡馬見学へ。9カ所のスタリオンで見せていただいた約50頭の中から、厳選したトップサイアーを3回に分けてお届けします。

【ヒルンデイルファーム】
目玉は何と言ってもカーリン(Curlin)でしょう。07年のBCクラシック、08年のドバイワールドCなどGI・7勝の名馬であり、多くのトップホースを輩出している名種牡馬。24年の種付料は北米最高額タイの25万ドルでした。日本で関連する馬を挙げると、代表産駒のパレスマリスはジャンタルマンタルの父であり、ダーレーを代表する人気サイアー。また、母の父としてダート重賞戦線で活躍しているエンペラーワケアやテーオーエルビスを送っています。21歳と高齢なので、まずは健康に。その上で少しでも長く種牡馬生活を送ってほしいと思います。

種牡馬カーリン

続いて好馬体が目立ったのはアラビアンナイト(Arabian Knight)です。23年のパシフィッククラシックの勝ち馬。今年の種付料は3万ドルですから、そこまで高かったわけではありませんが、この素晴らしいフレームを引き継いだ産駒は確実に走ってくるでしょう。

種牡馬アラビアンナイト

そして最後にもう1頭、思いがけない名馬との出会いがありました。繁殖になるため、牧場に帰ってきたばかりのソーピードアンナ(Thorpedo Anna)を出していただけたのです。24年のケンタッキーオークスやBCディスタフなどGIを7勝。同年の米年度代表馬に選ばれた名牝中の名牝です。勝ち鞍は全てダートですが、〝芝でも相当に走ったんじゃないか!?〟と思わせる柔らかさと軽さがあり、いい意味でイメージと違いました。ファシグティプトンにおいて200万ドルで落札したIntricateは、23年のゴールデンロッドSでこの馬に圧勝した実績あり。というわけで、ますます期待が膨らんだことは言うまでもありません。

繁殖ソーピードアンナ
繁殖ソーピードアンナ

【ダーレー】
こちらで最大の大物はナイキスト(Nyquist)でしょう。16年のケンタッキーダービーを無敗で制しましたが、このレースには日本からラニが出走していたので、覚えている方も多いのではないでしょうか。種牡馬としての実績も申し分なく、今年の種付料が17万5000ドルの高値だったことも納得。日本には輸入された産駒自体が少なく、3勝を挙げたアリエノールが出世頭ですが、いずれ大物が出てくるに違いありません。

種牡馬ナイキスト

今回、最後の紹介となるのがマックスフィールド(Maxfield)です。現役時代は19年のブリーダーズフューチュリティ、21年のクラークSとGIを2勝。黒鹿毛の漆黒の馬体はとにかく見栄えがします。そして何より見逃せないのは、今年2歳の初年度産駒のうち、外国産馬として日本でデビューした2頭がどちらも新馬勝ちをしたこと。しかもマグナヴィクトルが大差、ダノンバーボンが10馬身差の大楽勝だったので、将来性も文句なしです。来年以降のセールでは多くの日本人がマックスフィールド産駒を狙うでしょうから、是非とも注目してください。

種牡馬マックスフィールド

次回は種牡馬見学の第2回をお届けします。