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【米国セール遠征2025】
スタッフが語る繁殖牝馬を追いかけて④

2025.12.12 Column

最初のお目当てだった112番のKinzaを落札できた我々ですが、ホッとしている時間はありません。というのもファシグティプトンでは2頭を購買予定だったからです。

そこで候補に挙げていた145番のSelenaiaを競ることにしました。よーく馬名をご覧ください。セレナイアです。今回のセールで実感したのは、Not This Timeを受胎している馬はめちゃくちゃ高いということ。さすがは来年の種付料が北米トップタイの25万ドルとなったトップサイアーです。あれよあれよという間に100万ドルを超えたため、予算オーバーで断念しました。

Selenaiaの横姿

買えたかどうかを気にしている日本のスタッフに落ち込んでほしくない、少しでも笑ってもらえたら…。そんな気持ちでウケを狙ったLINEを送ったのですが、激しくスベりました。いつもはみんなを笑顔にしている松本のギャグも、アメリカでは不調なようです。

LINEのやりとり

気を取り直し、174番のIntricateの競りに参加します。馬体、血統、成績、どれを取っても素晴らしく、しかもInto Mischiefを受胎。それだけに予算は高めに設定していましたが、物凄いスピードで競り上がりました。あっという間に予算オーバー。これは厳しいな…と思ったものの、岩崎社長は〝この馬は絶対に買うんだ!〟と覚悟を決めて、ビットを続けます。そして激しい競り合いの末、レイク史上最高価格となる200万ドル、日本円にして約3億円で落札することができました!

1頭目が想定よりも安く買えたので、この馬は多少予算オーバーでもいけたという事情はあります。とはいえ3億円…。岩崎社長も喜びを噛み締めつつ、すこ~しだけ〝やってしまった感〟のある、何とも言えない笑みを浮かべていました。その後はIntricateと写真撮影。この馬に大きな期待をしつつ、責任もひしひしと感じている松本の表情をご覧ください。

イントリケイト

もう1頭、候補の227番が残っていましたが、予算を使い切ったので打ち止め。最高の1日となった4日目が終了しました。岩崎社長から「セレクトセールでの売り上げが良かったからこそ、こうして次への投資ができるんだよ」と聞き、スタッフ全員の日々の努力が、次代につながっていくのだと実感しました。また、普段は販売者側でセリに参加していますが、初めて購買者側に立ち、これまでとは違った緊張感と面白さを味わうことができたことも、貴重な経験となりました。

次回はキーンランドのセールと種牡馬見学の様子をお届けします。